サバイバルヤルオの作者による匿名投稿の10話で更新停止した非安価スレにも関わらず、
その圧倒的なクオリティの高さによって読者達に大きな衝撃を残した名作です。
完結作品でこそありませんがキリの良いところで終わっていて、
ガンダムを少し知っている方ならビルドファイターズ未読でも全く問題ありません。
偏差値70を誇る東都工業大学一年生で主人公な入速出やる夫は、
ガンプラバトル技術を独占している大企業PPSE社に就職する為に箔をつけるための
世界ガンプラバトル選手権の優勝に向けて日々練習に励む毎日を送っていた。
そんなやる夫の恋人で嘗ては才気溢れたバレリーナだったが現在は病によって右足を切断し
夢破れた少女クラエスにガンプラバトルのシミュレーターを体験させてみることに。
そこで機体を自分の体のように操り自由自在に踊れたことに衝撃を受けた彼女は、
やる夫と一緒にガンプラバトルの道に入り物語が始まります。
本作は何といってもガンプラバトルとバレリーナ少女という一見混じり合わないものが、
AAの圧倒的な表現力によってこの2つが完全に調和しているのが魅力的。
第1話の最後でここでなら踊れると呟いたクラエスの透き通ったその描写に、
数多くの読者がガンプラバトルの新たな境地を垣間見ました。
そして原作らしく作中幾度となく描写されるガンプラバトル描写も
それぞれのキャラクターと機体の個性が良く出たものとなっていて、
ガンダム愛に溢れた機体に始まって踊りながら戦うというクラエス独特の戦闘技法。
それら全てがAAによって分かりやすく表現され白熱したバトルが展開されます。
そのAAの表現力の他にもストーリーも思わず惹き込まれる展開が連続し、
単純にシミュレーターで機体を躍らせたことに感動した序盤に始まり、
偏差値30から偏差値70の工業大学に入ってまでやる夫が成し遂げたかった研究課題や
やる夫と別れてまで世界最強を目指すことにしたクラエスの真意。
それらの伏線の回収によってキャラクター一人ひとりが情熱的に生きていることが分かります。
そんなガンダムを知っている方ならこの題材にはとても新鮮に感じさせられて
原作ネタも散りばめられて面白い名作なので是非一読してみて下さい。
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