PR
やる夫スレ

現代社会の悲哀が伝わる人間ドラマ「できる夫は無垢な心に溶かされるようです」

できる夫は無垢な心に溶かされるようです 目次 | やる夫遊歩道
できる夫は無垢な心に溶かされるようです 目次

全21話長編オリジナル完結作品。
仕事にしか興味がないできる夫認知していなかった娘を突然一人で育てることに。
慣れない子育てと上手く行かない仕事をテーマにシリアスな現代が丁寧に描き出されます。

数年前に妻から離婚を切り出されてからひとり暮らしをしていたできる夫の元に、
妻と暮らしていた一人娘かなみ(由詑かなみ)を預かってほしいという手紙と共にやってきた。
子育てなんて女の仕事をどうして自分が突然押し付けられてやらないといけないのか。
会社の同僚にそんなこと知られたらきっと笑われるとそう考えたできる夫は、
娘を外出させず雇った家庭教師に自分がいない間の面倒を見させるという
完全にこの一時さえ自分が凌げればそれで良いという行動に出る。

そんなクズという代名詞が相応しいできる夫にも彼なりの理由があった。
それはこれまで父親を含む誰からもどんなに頑張っても認められることはなく、
そして趣味もなく会社での周りの評価が全てで周りに見損なわれるのが絶対に嫌で、
自分一人で何もかもをこなせてきた自負があったからそんな育て方しか知らなかったこと。

そうしてできる夫とかなみのすれ違いの生活からできる夫が変わっていく様子が描かれます。

本作は主人公できる夫を始めとしたキャラクターの丁寧に描かれた心情描写が身に染みる。
他人にも自分と同じ水準を求めるが故に誰にも頼らず一人で生きる方が気楽という考えから、
自分が知らない普通の父親像をホームドラマを観て探すように変化したできる夫の姿には
作中序盤から信じられないクズと読者が分かっていても思わず同情させられます。

そんな重く苦しいシリアス展開から光明が見えだすのは中盤の12話からで、
すれ違いに気付き娘を傷つけたと自覚し成長したできる夫による汚名返上が始まりますが、
学校や仕事での様々な問題によって中々上手くいかず。
そんな困難な中でもどこまでも素直なかなみちゃんが心配で心配で読むペースが止まりません。
ミルキィホームズ達の原作らしいハチャメチャさも良い味を出してました。
序盤の濃厚なシリアスさが合う方には、
そのまま期待できる中終盤が描かれるので是非一読してみて下さい。

記事紹介ツイート(作品が面白かったらいいねをお願いします!)

スポンサーリンク
シェアする
夜市よいをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました