誰よりも人の為に生きてきた、千川ちひろの物語。
全16話完結の長編アイマス2次創作。
765プロダクションに千川ちひろが先輩アイドルとして入っていたら?というIFが
感動必至のストーリ構成によって巧みに描き出されます。
瞬く間に大ブレイクした後輩の『765 ALL STARS』に先輩として面倒を見ながら
売れないアイドルとして『765 ALL STARS』の最後の一席を星井美希と争っていた千川ちひろ。
その最後の一席を賭けたミニライブでどうしようもない運が重なり、
「CDが三枚のみ売れる」という結果に終わったことからアイドル活動を引退することに。
引退後は大学生となって346プロダクションに就職することになったがその先で、
アイドルになる夢を諦め生きてきた千川ちひろがどういう道で生きていくかが描かれます。
本作の魅力は何といっても千川ちひろの私は誰かの笑顔の為に生きたいという
その生き方が伝播していき最終的には巡り廻って自分に還ってくるストーリーに尽きる。
誰かを蹴落さなければ幸せになれない世界で誰もが幸せになれるようにしたいという綺麗事が
この世界線なら綺麗事ではなくなり、きっと実現するに違いないと思わせてくれます。
「今日のライブを見て思ったんだ。会社や先輩後輩たちの枠を超えて、こうやって協力して助け合うアイドルの生き方もあるんだと。そしてやっぱりそんな優しい世界の方が私は好きなのだと。そう思ったんだ」
765プロと346プロの持つ世界観を見事に融合させている点も素晴らしく、
765から引退し346に入社した千川ちひろの視点から描かれていく
先輩としての765プロと後輩としての346プロのキャラクターの面々の描写はとても感動的。
その素晴らしさはこの作品がそのままアニメで放送されても全く違和感なく受け入れられる。
8年前に挫折して合うことを拒んでいた765プロと再会する中で、
自分が幸せになるため千川ちひろがどういった将来を歩むのか。
誰もが予想していない、同時に納得いく将来がEDで描かれます。
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