ある晩、何故か1942年、太平洋戦争中のガダルカナル島と、とあるコンビニエンスストア前の洞窟が繋がってしまった。
現れる飢えた日本兵。
彼等に水や食糧を補給しても良いのだろうか?
最初は「近くにあるサバゲーの会場ではぐれたコスプレ日本兵」と思っていた「俺」だが、徐々に面倒事に巻き込まれていくのだった。
ある日突然現代日本のコンビニ近くに太平洋戦争中のガダルカナル島へ繋がるゲートが開通。
そのコンビニ店員な主人公の元に日本兵が続々やってきて通報したら防衛省まで出てきた。
本作はそうして誰がそんなゲートを作ったのか?を探るために実験する現代人たちと、
多数の餓死者が発生する悲惨な戦場を何とかするべく奔走する過去人たちによる、
コンビニというありふれた舞台で様々な思惑が錯綜していく全81話長編完結作品です。
主人公は通報し出てきた防衛省の役人に実験の為にそのまま営業を続けて欲しいと頼まれて
ガダルカナル島から買い物に来るコンビニで一店員として日本兵と交流していくも、
どうもコンビニからガダルカナル島へ持ち帰れるのは3人各2000円が限度のようで。
当然死地に置かれている日本兵からもっと補給を頼まれ色々試行錯誤するが、
商品の値引きや現代情報の持ち出しは当然不可になっていたりゲートには数々の縛りがあって。
そうしたゲートの設定に穴が無いか調査に奔走する防衛省組の傍らで
コンビニの現場で補給によって少しずつ変わっていく日本兵と触れ合う主人公と、
勝利の為なら未来の日本人すら利用する辻政信率いる日本兵達による一大叙事詩が始まります。
本作はガダルカナル島に現代のコンビニがあったら戦局はどうなる?という発想を、
説得力ある人物描写と読みやすい文体によって見事に仕上げられている作品となっていて
一つの架空戦記ものとしても本当に良く出来ています。
戦地にある日本兵たちの希望と悲哀が伝わりしんみりさせてくれました。
そしてそもそも出現したゲートの謎についてもご都合主義で終わらせずに、
中終盤で現代人たちが頑張って調査していくので、
役所仕事にしては異様に対応が早い経緯と合わせてミステリー要素の解明にもご期待下さい。
完結後の一話完結の番外編すらもそれぞれの日本兵達の生涯が伝わりとても良い。
そんな色々と感じさせてくれる本作を是非一読してみて下さい。
記事紹介ツイート(作品が面白かったらいいねをお願いします!)
紹介記事を投稿しました。
— 夜市よい (@yoichi_041) March 28, 2023
ある日突然現代日本のコンビニ近くに、
戦争中のガダルカナル島へ繋がるゲートが開通。
コンビニを舞台にゲートの謎を探る現代人と
悲惨な戦場を何とかするべく奔走する
日本兵たちによる架空戦記です。
「コンビニ・ガダルカナル」https://t.co/E0trL0ob8o#narouN4994FI
コメント