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ハーメルン

小悪党が巻き込まれた二重誘拐事件の顛末を巡る誘拐犯、探偵、闇バイトが織りなす緊迫コメディ「ダブルスチール」

イラスト素材:身代金要求型不正プログラム

誘拐の良いところは子供と触れあえることであり、悪いところはそれ以外の全てである。

全15話12万文字のオリジナル長編完結作品。
大金が必要な誘拐犯2人がお金持ちの子供の誘拐に成功しいざ身代金を要求する前に
何ということかその子供が更にまた別の誘拐犯に誘拐されてしまった。

この小悪党な誘拐犯と彼らに立ち向かう探偵に闇バイトに巻き込まれた一般人による、
誘拐事件を軸としたそれぞれの軽妙な会話の掛け合いが楽しめるコメディ作品です。

人生の限界が近く大金を求めていた誘拐犯男女2人は身代金目的の誘拐に成功しますが、
逃亡中の車休憩に立ち寄ったPA内で誘拐した子供が何時の間にか別の犯人に攫われてしまう。
しかし何としてでも身代金は獲得しなければいけないので
2台の携帯電話をくっつけて再誘拐犯と人質の親とで直に交渉させることを試みる誘拐犯達に、
その電話を受けた人質となった子供の親の探偵は警察と一緒に人質の救出に挑んでいく。

そしてその誘拐劇の一方で闇バイトで知らない女性を運ぶことになったドライバー君は
ジョンとメアリーと名乗る謎の人物と共に凶悪犯と緊迫した車内を過ごしていきますが、
この突然描写されてきた車内の匿名の人物達は一体全員誰なのか。
この3者の視点で話が進むにつれて車内の真相解明と人質救出が一点で繋がるミステリーが、
緊迫した場面でも小気味良い茶化し合いによって楽しみながら展開されます。

本作はそんな誘拐した人質が更に誘拐されてしまう二重誘拐が全ての始まりとなり、
この誘拐犯の男女二人組が人質に対してソフトクリームを奢ったりどこか抜けていて憎めない。
彼らの魅力が2人の会話の掛け合いから確かに伝わってくるのが序盤の印象的な点で、
必死で誘拐犯を追う中でも随所で挟み込まれていく野球のドラゴンズネタは笑えてきます。

「パチンコは未成年立ち入り禁止だろうが」

「確かに」頷いた彼女は「最近は何でもかんでもパチンコになりますよね」と関係のない会話を膨らませ始めた。「名古屋ドラゴンズもパチンコにならないっすかね。CRドラゴンズ」

「やりたくねえな。玉が狙ったところに入らなそうじゃねえか」

「多分チャンスで右打ちさせられるっすよ」

10話

他にも野球以外も含め様々なネタが詰め込まれた随所で笑わせてくれるコメディが良く、 
探偵と刑事の皮肉と罵倒の応酬でもシリアスな場面に独特のユーモアが光っている。

そしてストーリー構成も人質救出に向けて先が見通せない話が進む中で、
闇バイト君は一体何に巻き込まれてしまったのかを中心に謎めいた展開が中盤まで続き
そして事件が終幕した後もびっくりさせてくれる種明かしもありと楽しませてくれます。
そんなストーリーもコメディも面白く12万文字で纏められているので是非一読してみて下さい。

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