モモンガ様、ぼっちで異世界トリップなう。
しょんぼりしながら気ままに旅に出るモモンガ。そんなオーバーロードの明日はどっちだ!?
※ただし、ナザリックが存在しないとは言っていない。
全21話40万字オーバーロード原作長編完結作品。
オバロ世界に一人だけで放り出されたアインズ様が未知を求めて世界を満喫する一方で、
遂にプレイヤーが一人もいなくなってしまったナザリックに絶望する階層守護者達。
この原作とは全く異なる環境に置かれた両者によって素晴らしい結末を迎えた大作です。
ユグドラシルのサービス終了時間が過ぎると気づけば知らない森にいたアインズ様。
森を出て仮面をつけた凄腕の魔法詠唱者として法国によるカルネ村での虐殺を防ぐと、
自分を縛るものは何も無いとこの未知の世界を自由気ままに旅することに。
何物にも縛られたくはないと冒険者にもならず諸国を巡るアインズ様の前に立ち塞がるのは
レイドボス級のザイトルクワエに突如遭遇してしまったツアーとのタイマン戦闘で。
そんな戦闘も潜り抜けて1人のプレイヤーとしてこの世界を満喫するアインズ様に対して、
ナザリックに取り残されたNPC達は元の世界に帰る為に大陸を支配すべく行動していた。
そうしてこの未知の世界を楽しむアインズ様と世界を壊そうとする階層守護者達が邂逅する
その緊迫の場面が凄まじく感動的に描写されていきます。
本作は序盤はアインズ様が世界を気楽に旅する序盤から、
ナザリック側の行動が明かされ徐々にシリアスになって突入したクライマックスが魅力的です。
特にクライマックス戦闘で正体を隠したアインズが死闘の中で問いただして明らかになった
デミウルゴスの感じ入ること間違いない忠義の形が見事でした。
彼の他にもアルベドやセバスといった主要なNPCたちが同じナザリックのNPCにも関わらず
生み出された立場の違いによってお互いの信念がぶつかり合っていく、
アインズがいない為に独自に動かねばならない守護者達が非常に魅力的に描写されています。
そしてアインズ自身もナザリックを背負っていないことで魔王とはならず、
1人のユグドラシルプレイヤーとして世界を気分よく旅する様子が非常に新鮮でした。
そんな原作から一変した立場となった両者の再会が最高な作品なので是非一読してみて下さい。
「どうすればいいかなんて私は知らない……! でも、そんな投げ捨てられるものではないのです……だって、だって私までがそうして捨ててしまったら――取り残された同胞達は、捨てられたことにさえ気づけていない彼らは、一体どうすればいいのですか……!」
19話のデミウルゴス
それが、悪魔が言葉を操る理由。未だ息をし、言葉を喋り、ナザリック地下大墳墓を動かす理由だった。
「だから……私は同胞達を騙してでも戦う! 文句があるなら言ってみるがいいニンゲン――!!」
「貴方は――――創造主に置いていかれても、それを“良し”と、そう言うの……?」
21話のパンドラズ・アクター
アルベドの言葉に、パンドラズ・アクターは元の姿に戻って、敬礼して宣言した。
「我が神のお望みとあらば」
コメント
オバロ二次は単身転移でナザリック来ない方が好きだなぁ
ナザリックが来ないものでは同作者のマルガレーテも非常に良かったですね!