――ゲルン人によって不適格者とされた地球人4000人は、不毛の惑星ラグナロクへと追放された。
そこで待ち受けるのは獰猛な怪物、原因不明の熱病、そして人が暮らすために必要な資源の絶対的不足。
ラグナロク人の絶望と苦難の歴史が、いま、始まる……。
金字塔的SF短編作、冷たい方程式で有名なトム・ゴドウィンの
宇宙の漂流者をやる夫スレ化した全25話長編完結作品。
戦争中の異星人に植民船が拿捕され居住不可能な惑星ラグナロクに追放された地球人たちによる
6世代200年にかけた壮大なスケールでの異星人への復讐が描写されます。
俺の屍を越えてゆけのSF版というと分かりやすい。
異星人によって惑星ラグナロクに追放された地球人4000人は、
重力が地球の1.5倍で訳の分からない怪物や熱病まで蔓延っている
過酷な環境下におかれてたった数日で1500人が死亡。
唯一生き残った士官やる夫やらない夫の2名をリーダーとしてまとまるも
栄養失調で倒れていく中で非情な決断による不和は起こり、
この環境を生き抜いてきた獰猛な現地動物には殺され生存者は総勢550人となってしまう。
それでも異星人への復讐を諦めないやる夫達は厳しい環境・少ない資源で後の世代に教育を行い
この惑星の環境に適応してきた後の世代に想いを引き継がせて、
生きるだけでも困難な状況で宇宙文明の異星人にどうやって復讐するのか。
6世代それぞれのサバイバル劇200年が幕を開けていきます。
本作はこの世代毎のサバイバルが世代それぞれで特徴的に描かれていて、
正しく絶望だったやる夫達第1世代と環境に慣れて探索に赴けるようになったやる太達第2世代
前の世代の探索の結果を元に異星人への復讐が描写される最後の第6世代と、
必死に生きて死んでいく中で受け継がれていくものがよく伝わってくる作品となっています。
個人的にお気に入りなのは第4世代のDIO様で、
それまでに描かれた苦難の歴史からの反転攻勢っぷりがこのAAだけで十分に分かりました。
そして最後の第6世代の配役が分かった20話の盛り上がりが本当に素晴らしい。
歴代リーダー達が耐えに耐えてきた結果が遂に描写される熱い終盤を是非一読してみて下さい。
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