闘病生活の末に死んだと思ったら、極悪お嬢様系女子中学生に憑依していた。
どうも少女はその悪徳の数々によって『破滅』し、未来に絶望して川に身を投げたらしい。それを知った元青年・現破滅済み悪役令嬢の主人公は、少女の人格がもう一度生きる希望を取り戻せるよう、破滅からの『再起』を始めるのだった……!
とあるシリーズ原作の全190話135万字の長編完結作品。
原作が好きな方で本作に嵌まらない人は存在しないのではとも思わせるような、
原作の雰囲気が全くそのままに再現され悪役令嬢主人公の波乱な生き様が描かれる傑作です。
末期がんによって現代日本から他界後にレイシア=ブラックガードという
入水自殺を試みて入院中の美少女に憑依していた主人公。
自室にあった日記帳を読んでみるとレベル4の常盤台中学生として派閥を形成していたが、
苛烈過ぎる能力向上意識によって派閥内のメンバーすらからも嫌われている典型的な悪役で。
そして最後には派閥メンバーには裏切られ立ちはだかる御坂美琴に叩き潰された結果、
自身のプライドが砕け散って自殺を決行していたことが涙ながらに日記に綴られていた。
憑依したのでこのレイシアちゃんの代わりに人生を生き抜くと決心した主人公ですが、
彼女の記憶が未だ自分の中にあって引き出せることから彼女の魂はまだ消滅していないと考え、
人生は投げ捨てる程捨てたものではなく素晴らしいものなんだと彼女の魂に伝えるために
こじらせにこじらせた人間関係を円滑にしていく『人間関係改善計画』を発動。
単純に歩み寄ってもそれまでの悪役令嬢としての苛烈過ぎる支配故に、
報復を恐れられ信じてもらえない派閥メンバー達とどうやって友人としての関係を作るのか。
その関係修復への道を進むにつれて彼女が自殺を試みた本当の理由が明らかになると共に、
スーパーの卵特売争奪戦を潜り抜けて初めての友人となった上条当麻が旧約一巻に突入。
新約を含めた原作の結末を変えてでも記憶喪失となってしまう上条を助けた方が良いのか。
原作に関わり悩む彼女の決断が第三章「勝ち逃げなんて許さない」に繋がり、
まさかの主従が入れ替わる悪役令嬢ものらしい圧巻な逆転劇が開幕する。
そんなシーズンⅠが終わり始まったシーズンⅡ超電磁砲編では、
「上条! わたくしの夫になりなさい!」から始まったヒロイン達を巻き込んだ恋愛バトルと、
合わせて科学や魔術側の最高戦力が集結するド迫力バトルシーンが連続し、
読者を飽きさせず惹きつけたままに最高の最終章へと繋がります。
本作はただ悪役令嬢をとある世界に投入しただけの作品とは絶対にならない作品で、
原作キャラと見間違う程に主人公のキャラクターは立っていて、
原作の複雑な設定を折り合わせた素晴らしい完成度でストーリーが展開されていく。
原作を端折る所は端折って尚も100万字を超えた濃密さで描かれる、
日常回は可愛らしく戦闘シーンは熱くさせてくれる緩急つけたストーリーがたまりません。
さらに本作は原作の個性ある膨大なキャラクター達をそのまま魅力的に描写されていて、
特に2次が盛んだった10年前では能力から悪役キャラな作品が多かった食蜂操祈ですが、
上条との過去が明らかになった後の原作設定で描かれたシーズン2の彼女がとても可愛い。
これがかなり新鮮で本作が多種多様なシリーズ作品の設定が詰め込まれていることもあり、
新約となって失いかけていたとあるシリーズへの情熱が復活しました。
上条さんも上条さんであの格好良さが終始ずっと健在で当時のあの熱を思い出させてくれた。
そんな原作を更に引き立て数多くの支援絵と支援動画(下記)・曲まで作られた傑作となり、
特に123話支援絵は原作自体の挿絵と言われても納得出来る程の途轍もない完成度で、
支援絵もしっかりPDF保存に入ってくる作る人への感謝の念も止まりません。
新約でついていけなくなった私のような方も是非一読してみてください。
記事紹介ツイート(作品が面白かったらいいねをお願いします!)
紹介記事を投稿しました。
— 夜市よい (@yoichi_041) September 7, 2023
とあるシリーズ原作の雰囲気が全くそのままに再現され、
悪役令嬢主人公の波乱な生き様が描かれる
とあるへの愛が詰まった傑作です。
科学と魔術が交差するとき、悪役令嬢の試練が始まる─!
「とある再起の悪役令嬢(ヴィレイネス)」
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