闇の帝王に関する予言を死喰い人にもたらし、リリー・エバンズへ死の危機を招いてしまったセブルス・スネイプ。
苦悩に満ちたまま罪に彷徨う男は、とある些細な出会いをきっかけにこれまでとは異なる行動を取り始める。
それがもたらす運命の波紋は、いかなる結末へ収束するか…
ハリーポッター2次創作。全14話の完結済みの中編です。
原作ではヴォルデモートを倒す預言を彼に報告したスネイプは、
その罪悪感から原作ではダンブルドアにリリー・エバンズを救うように懇願します。
本作ではダンブルドアに懇願する前、
逃げ隠れるように辿り着いたマグル界のカフェで”リリィ”という女性に出会うことから
ダンブルドア頼みではなく、「自分が、このセブルス・スネイプが、『リリー』を救うのだ。」
という自己改革を成し遂げる出会いがあったことで原作の歴史から変化が生じていく。
人生で一度くらいは、『セブルス・スネイプらしからぬ行動』を取ってみようではないか
喫茶店にて。
『リリーが生きているうちに、自分が出来ることを全てやろう』
そして、喫茶店の出会いの後にあるとても合理的な理由から、
不俱戴天の敵であるシリウス・ブラックに共にヴォルデモートを倒すべく交渉を始める。
最初は勿論呪文の打ち合いになるが果たして交渉の結果は、
そしてヴォルデモートの結末は――――
この作品の魅力は、「セブルス・スネイプの天国」というタイトルにもあるように
スネイプにとっての最高の結末とは何か?というのが読了後の読者が必ず受け取れるような
原作再構成の見本といってもいい出来になっていることだろう。
原作のIF、こんな可能性がもしあったらというハリポタファンの理想を叶えてくれている。
そんな、シリウス・ブラックもセブルス・スネイプも最高に格好いい作品となっていて
是非平和な天国で楽しく幸せに暮らしていってほしいとしんみりさせてくれました。
「あの子はこう続けたわ『だから、私が行く天国はリリィに創って欲しい』って」
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